Prinergy Evo では、透明オブジェクトを含むファイルをフラット化せずに処理し、より速く正確にトラッピングできるようになりました。Color Matcher や Trapper の機能などの PDF 処理エンジンがアップグレードされ、ネイティブで透明オブジェクトを処理できるようになり、フラット化で発生する可能性のある影響がなくなりました。
Adobe Illustrator 9 のリリースにより、グラフィック デザイナーはベクター アートワークに透明効果を簡単に適用し、半透明の図形、テキスト、ドロップ シャドウ、およびマスクを作成できるようになりました。Illustrator 9 以降および InDesign 2 以降から PDF 1.4 以降のファイルを書き出す場合、そのファイルには透明オブジェクトが含まれる場合があります。
Prinergy Evo 4.0 以前のバージョンでは、PDF 1.4 以降のファイルに含まれる透明オブジェクトは、ノーマライズ処理中に PDF 1.3 オブジェクトにフラット化する必要があり、予期しない結果が生じる場合がありました。
透明機能が含まれるファイルの処理
Prinergy Evo の透明機能による処理を活用するには、必ず、入力ファイルにネイティブの(フラット化されていない)透明機能を含めます。この処理を Illustrator または InDesign で行うには、ファイルを PDF 1.4 以降にエクスポートします。PostScript または PDF ファイルには出力しないでください。
特定の PDF ファイルにネイティブの透明機能が含まれているかどうかを簡単に判断するには、Acrobat ソフトウェアで開き、[透明部分の分割・統合プレビュー]ツールを使用します。表示を「透明オブジェクト」に変更してハイライトします。プレビューでオブジェクトのいずれかが赤く表示されたら、ネイティブの透明機能がサポートされているファイルです。
透明オブジェクト用の新しい設定
リファイン プロセス時に透明機能を保持することができます。[PDF にリファイン]プロセス テンプレートのノーマライズセクションの PDF 1.4 以降(Acrobat 5 以降)リストには、以下のオプションがあります。
- PDF 1.3 にフラット化
最高品質設定を使用して、ネイティブ PDF 1.4 透明機能を含むすべてのファイルを検出し、フラット化します。これは Prinergy Evo 3.x 以前の動作です。 - そのまま
PDF 1.4 以降のファイル内の透明オブジェクトを検出して保持します。 - エラー
透明オブジェクトが検出されると、エラーが発生します。
新しい Adobe PDF Print Engine RIP 5.7 64 ビット
Prinergy Evo 9.0 では、Adobe PDF Print Engine RIP 5.7 と PDF Library 18 の新しいフラット化ツールが導入されています。
透明オブジェクトが含まれるファイルの一般的な処理方法
入力ファイルの形式 | リファイン プロセス テンプレートで選択された透明オブジェクトの設定 | 出力プロセス テンプレートで選択された RIP | 確認事項 |
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デスクトップ ソフトウェア(Illustrator など)でフラット化されている PDF 1.3 ファイル | ファイルは既にフラット化されています。 | ファイルは既にフラット化されています。 |
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PDF 1.4 以降のファイル | PDF 1.3 にフラット化 | このファイルはリファイン処理で既にフラット化されています。 |
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PDF 1.4 以降のファイル | そのまま | Adobe CPSI |
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PDF 1.4 以降のファイル | そのまま | Adobe PDF Print Engine(フラット化しない) |
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次のファイル形式には、その性質上、ネイティブの透明機能は含まれていません。ただし、元のファイルが透明オブジェクトを含んでいる場合はフラット化されます。これらの形式にはネイティブの透明オブジェクトが含まれないため、Prinergy Evo を介して実行してもメリットはありません。
- PostScript
- EPS
- DCS
- PDF 1.3 以前
- PDF/X-1a(PDF/X-1a は透明機能を使用できない PDF の限定サブセット)