PrintLink デジタル インキ プロファイル ソフトウェアでは、デジタル インキ キー プリセット システムに対するインキの総使用量の情報を指定する、JDF(Job Definition Format)ファイルおよび PPF(Print Production Format)ファイルを生成できます。この機能により、ミスプリントや最終調整出力の回数を減らすことができます。
PrintLink は、最終出力プロセス テンプレートのPrintLinkセクションで制御されます。
注: PrintLink は、PrintLink Graphic Arts Placement Services とは関係ありません。
PrintLink では、印刷プロセスで次の 3 つのコンピュータが使用されます。
- Workshop ワークステーション(RIP を行う Prinergy サーバーと Prinergy セカンダリ サーバー)
- PPF ファイル リーダー ワークステーション
- プレス コンソール
PrintLink を使用するメリット
従来、インキ キー プリセットの作成にはプレート スキャナが使用されてきました。PrintLink は、このプレート スキャナをデジタル化したもので、さらに正確な総量情報を得ることができます。総インキ量を推測するのにイメージング済みの版をスキャンする代わりに、PrintLink では Prinergy で版のイメージングに使用するのと同じデジタル データを使用します。
PrintLink では、出力デバイスで版をイメージングする際にインキ キー設定を計算します。このインキ キー総量データと識別情報は、PPF ファイルに保存されます。そのため、従来のプレート スキャナにはない、正確さと一貫性を実現します。加えて、版をスキャンする時間を節約でき、また版を損傷するリスクもなくなります。
CIP3 または CIP4 インキ リーダーが装備されていない印刷機については、Prinergy で作成された、ユーザーが読み取り可能なインキ キー設定をプレス コンソールで手動で入力することができます。この機能を使用すると、インキ キーを正確に設定できるため準備時間が短縮されます。高額な投資をして、CIP3 または CIP4 インキ リーダーが装備された印刷機を購入する必要はありません。
PrintLink が Prinergy ワークフローで動作するしくみ
- 面付けした PDF ファイルがセカンダリ サーバーの RIP に送信されます。
- セカンダリ サーバー上の RIP が面付けされたファイルを受け取り、データが RIP され、高解像度ラスターが出力デバイスに送信されます。
- RIP が版のイメージングを行うためのラスターを送信するのと同時に、PrintLink は、1 つの色版に 1 ファイルずつ PPF ファイルを作成します。
- 結果の分版された PPF ファイルが PPF ファイル リーダー ワークステーションに送信されます。
- PPF ファイル リーダー ワークステーションで、総インキ量のデータが解釈されます。
- デジタル インキ キー設定は、プレス コンソールに転送されます。このコンソールでは、受信した PPF 情報に基づいてインキ キーが制御されます。
インキ レポート
PrintLink によって生成された PPF ファイルから、インキ レポートを作成できます。インキ レポートはテキスト ベースのレポートであり、インキ使用範囲(平方センチメートルと平方インチ単位)および版ごとの使用割合が記述されています。
カスタム PPF ファイル
PrintLink で作成された PPF ファイルは、CIP3(International Cooperation for Intergration of Prepress、Press、Postpress)PPF ファイル仕様に準拠しています。CIP3 は、製版、印刷、製本を含む、さまざまな工程段階で使用する印刷機器間で情報を交換するためのオープン スタンダードとして確立されました。
この基準により、総インキ量の情報、印刷のジオメトリ、およびその他のデジタル インキ キー プリセットに関する情報のための PPF(Print Production Format)が指定されます。PrintLink はこの基準に準拠していますが、一部のプレス インターフェイスでは PPF ファイルから追加の情報が必要になります。これらの要件をサポートするために、PPF ファイルの一部の CIP3 タグはカスタマイズが可能です。