Prinergy では、従来の AM(振幅変調)、FM(周波数変調)、およびハイブリッド(AM と FM の混合)スクリーニングがサポートされます。Maxtone ファミリーは、Prinergy の AM(従来のスクリーニング、RT)スクリーニング技術を基盤としており、Staccato ファミリーは FM(staccato とも呼ばれる)スクリーニング技術を基盤としています。ハイブリッド Maxtone スクリーニング オプションでは、これらのスクリーニング技術が組み合わされます。
Maxtone
Maxtone では、トーン範囲全体で広範な線数、角度、ドット形状を使用する標準的な AM スクリーンを設定できます。
Maxtone CX
Maxtone CX のハイブリッド AM スクリーニングを使用すると、出力デバイス、版、印刷時の解像度に合わせてハイライトおよびシャドウのドット サイズを設定したレンダリングを行うことができます。
Maxtone CX では、AM スクリーニングを使用して、最小ドット サイズより大きい色調値が作成されます。最小ドット サイズに達すると、FM のような技術を使用して、AM グリッドから最小サイズのドットを徐々に削除します。この技術を使用すると、印刷可能な最小ドットサイズを使用して、フレキソ印刷の極端なハイライトを実現することができます。
Maxtone CX のドットは、Maxtone スクリーンと同じスクリーン線数のグリッドに配列され、中間調のトーンはドット サイズの調整によって制御されます。ただし Maxtone CX の場合、ハイライトおよびシャドウのトーンではドット幅を固定し、グリッド上に配置されるドット数またはスクリーン線数を変化させることによって制御されます。
Maxtone CX は、解像度に制限があり、Maxtone のハイライトまたはシャドウのドットのレンダリングに安定性や一貫性がない場合に有用です。たとえば、フレキソでパッケージ印刷を行う場合、ハイライトのスカム ドットの出力が安定しない場合、ヒートセットを使用する輪転オフセット印刷の場合、ハイライト ドットに中間調と同じ通し回数の耐久性がない場合などに有効です。
また、Maxtone CX をスクリーン線数が高く設定された商用オフセット印刷に使用して、プレートや印刷機の単独ピクセル ドットに関する問題を回避することができます。
Maxtone FX
Maxtone FX とは、Flexcel NX 用ハイブリッド AM スクリーニングのことですが、ハイライト解像度が制限されているオフセット印刷にも有用です。中間調でモトルのないオーバープリントを実現するため、色調範囲のほとんどで従来の Maxtone AM スクリーニングを使用すると同時に、ドット サイズの大きなハイライト領域をスムーズにするため、極端なハイライトとシャドウの領域は FM パターンによるスクリーニングを行います。
Maxtone FX では、ハイライトとシャドウの最小ドット サイズを制御しながら、中間調には AM スクリーニングを使用することができます。中間調は、通常の Maxtone AM スクリーニングを適用したときと同じです。極端なハイライトとシャドウの領域では、AM スクリーニングから FM スクリーニングに切り替わる領域があります。ドット サイズは指定した最小サイズで固定され、ドットの配置が FM になります。
Maxtone FX ハイブリッド スクリーニングでは、中間調の AM スクリーニングとハイライトやシャドウ領域の確率的 FM スクリーニングが急速に移行します。最小サイズの FM ドットでレンダリングされる領域の幅を制御するために、最小ドット サイズ(1×1 から 4×4 ピクセル)を設定できます。最小ドットサイズとスクリーン線数は相互に独立しています。
Maxtone FX は、小さな(1×1、1×2、または 2×2)のドットサイズのゲインの低い用途に最適です。FM 領域は、AM 領域の Maxtone タイプのスクリーンを維持しながらトーンをスムーズに移行します。わずかな粒子が FM 領域に関連して発生する場合があります。
FM から AM への移行は非常に急速に行われるため、最小サイズが大きいと目立つ場合があります。そのため、最小サイズを大きくする必要のある、ゲインの高い用途に Maxtone FX を使用するメリットは限られる場合があります。
例
Maxtone CX のハイライト
Maxtone FX のスケール
Maxtone SX
Maxtone SX とは、当初は Flexcel NX 用に設計されたハイブリッド AM スクリーニングのことですが、ハイライト解像度が制限されているオフセット印刷にも有用です。中間調でモトルのないオーバープリントを実現するため、色調範囲のほとんどで従来の Maxtone AM スクリーニングを使用すると同時に、ドット サイズの大きなハイライト領域をスムーズにするため、極端なハイライトとシャドウの領域は FM パターンによるスクリーニングを行います。
Maxtone SX では、ハイライトとシャドウの最小ドット サイズを制御しながら、中間調には AM スクリーニングを使用することができます。中間調は、通常の Maxtone AM スクリーニングを適用したときと同じです。極端なハイライトとシャドウの領域では、AM スクリーニングから FM スクリーニングに切り替わる領域があります。ドット サイズは指定した最小サイズで固定され、ドットの配置が FM になります。
Maxtone SX ハイブリッド スクリーニングでは、中間調の AM スクリーニングとハイライトやシャドウ領域の FM スクリーニングが徐々に移行します。FM 領域ではドットがランダムに配置され、AM 領域ではほぼグリッド上に配置されます。移行領域では、FM の確率的スクリーニング パターンと AM のグリッド パターンが少しずつ組み合わされます。1 つのパターンから次のパターンへ徐々に移行することで、急速な移行によって発生する不快な視覚的影響をなくします。
最小サイズの FM ドットでレンダリングされる領域の幅を制御するには、最小ドット サイズ(1×1 から 4×4 ピクセル)を設定します。最小ドットサイズとスクリーン線数は相互に独立しています。
Maxtone SX はゲインの高い用途に適しています。FM と AM を混合して移行することにより、より大きな最小サイズの使用が可能になるとともに、用紙上でトーンをスムーズに移行します。諧調範囲で FM と AM が移行する領域では粒子が目立つ場合があります。
例
Maxtone SX のハイライト
Maxtone SX のスケール
Maxtone IS
Maxtone IS(Irrational Tangent スクリーニング)は、スリーブやシリンダーのシームレスなフレキソ印刷や、シリンダーの直接彫り込み、グラビア印刷の用途など、特殊なイメージング用途に使用されます。IS スクリーン システムはスクリーン セット エディタであらかじめ定義され、プロセス テンプレートで変更することはできません。IS スクリーン セットの定義については、Prinergy System Administration Guide(システム管理ガイド)(英語)を参照してください。IS スクリーン システムのリスト内のアイテムを非表示にする方法については、IS スクリーン セットの非表示を参照してください。
Maxtone IS CX
Maxtone IS CX のハイブリッド AM スクリーニングを使用すると、Maxtone IS(Irrational Tangent スクリーニング)を使用する場合に、出力デバイス、版、印刷時の解像度に合わせてハイライトおよびシャドウのドット サイズを設定したレンダリングを行うことができます。
Maxtone IS は、スリーブやシリンダーのシームレスなフレキソ印刷や、シリンダーの直接彫り込み、グラビア印刷の用途など、特殊なイメージング用途に使用されます。ほとんどの IS スクリーン システムはスクリーン セット エディタであらかじめ定義され、プロセス テンプレートで変更することはできません。IS スクリーン セットの定義については、Prinergy System Administration Guide(システム管理ガイド)(英語)を参照してください。IS スクリーン システムのリスト内のアイテムを非表示にする方法については、IS スクリーン セットの非表示を参照してください。
Maxtone IS CX では、AM スクリーニングを使用して、最小ドット サイズより大きい色調値が作成されます。最小ドット サイズに達すると、FM のような技術を使用して、AM グリッドから最小サイズのドットを徐々に削除します。この技術を使用すると、印刷可能な最小ドットサイズを使用して、フレキソ印刷の極端なハイライトを実現することができます。
Maxtone IS CX のドットは、Maxtone スクリーンと同じスクリーン線数のグリッドに配列され、中間調のトーンはドット サイズの調整によって制御されます。ただし Maxtone IS CX の場合、ハイライトおよびシャドウのトーンではドット幅を固定し、グリッド上に配置されるドット数またはスクリーン線数を変化させることによって制御されます。
Maxtone IS CX は、解像度に制限があり、Maxtone のハイライトまたはシャドウのドットのレンダリングに安定性や一貫性がない場合に有用です。たとえば、フレキソでパッケージ印刷を行う場合、ハイライトのスカム ドットの出力が安定しない場合、ヒートセットを使用する輪転オフセット印刷の場合、ハイライト ドットに中間調と同じ通し回数の耐久性がない場合などに有効です。
また、Maxtone IS CX をスクリーン線数が高く設定された商用オフセット印刷に使用して、プレートや印刷機の単独ピクセル ドットに関する問題を回避することができます。
Staccato
Staccato スクリーニングは確率的 FM(周波数変調)スクリーニング ソリューションで、Prinergy のオプションとして別途購入いただく機能です。Staccato スクリーニング ソフトウェアと Kodak SQUAREspot テクノロジの統合により、確率的(FM)スクリーニングを通常の印刷工程に導入することができるようになりました。
FM スクリーニングを使用するには時間と設備が必要なため、日常の印刷生産のソリューションとしては実用的ではありません。従来の出力デバイスでは、キャリブレーション、現像、およびプレート作成において必要な制御を行うことができないため、これまで使用してきたデバイスで FM スクリーニングを行うことは困難です。しかし、Staccato を使用すれば、FM スクリーニングが日常の印刷工程に対する実用的なオプションになります。Staccato スクリーンと通常のスクリーンを混在させることもできます。
Staccato スクリーニングの詳細は、Staccato ユーザー ガイドを参照してください。
Staccato NX
Staccato NX は、Flexcel NX でパッケージ印刷用のメディアを出力するために設計され、追加的に導入する FM スクリーニングです。
Staccato NX では、パッケージ印刷のニーズに合わせて、Flexcel NX メディアで使用することを考慮した FM スクリーニングが導入されています。特に、拡張カラー セット(CMYK 以外のカラー)が使用可能であり、オーバープリントの領域に AM スクリーニングで見られるモアレが生じません。
注意:Staccato NX は、Flexcel NX メディアおよび Trendsetter NX に対してのみ認定され、解像度 2400 dpi でのみ使用できます。
Staccato NX は、Prinergy で選択可能な、あらかじめ設定されている FM スクリーンのセットで構成されています。Staccato NX では、ハイライトとシャドウの最小ドット サイズまたはドット幅と、中間調のスクリーン線数を選択できます。ハイライトとシャドウの最小ドット サイズはピクセル単位で指定し、中間調のスクリーン線数は相対する線数(lpi 値)で指定します。
Staccato NX 第 2 世代確率的スクリーニングを使用して、ハイライトとシャドウのサイズを中間調とは別に設定できます。
- ハイライトとシャドウのドット サイズは、最小サイズの設定から取得されます。
- 中間調のドット サイズは、相対する AM 中間調線数で表されます。
例
Staccato NX のハイライト
Staccato NX のスケール
関連項目