Kodak Distiller Assistant の機能を使用すると、PostScript および EPS ファイルから PDF を抽出する際に Acrobat Distiller で発生する可能性のある問題が解決されます。
機能の名前は、Acrobat Distiller の起動メッセージ ボックスに表示されます。
Control Flatness v1.5
この機能では、入力ファイルに存在するフラットネス サイズの変更を有効または無効にして、旧バージョンの PostScript ファイルによってフラットネスが非常に高い値に設定されている場合に生じる問題を回避できます。以前のバージョンの Adobe RIP 製品では、複雑な連続曲線をレンダリングできず、limitcheck
エラーが発生する場合が多くありました。これまで、この問題の回避策はグラフィックのフラットネスの値をより大きく設定することでした。しかしこの方法では、RIP で連続曲線を少ない数の直線に分割して強制的にレンダリングすることになる場合が多く、カーブが平坦に表示される結果となります(たとえば、円が多角形のような形で表示されます)。
以前のバージョンの多くのファイルには高いフラットネス値が含まれたままですが、新しい RIP(および Distiller)はフラットネス値を上げることなく対応できます。この機能では、このような以前のバージョンのファイルに対応するため、フラットネス値を増大したように見せかけますが、RIP では連続曲線を可能な限りスムーズにレンダリングすることができます。
注: フラットネス制御で必要な最大解像度は 600 dpi です。デバイスの解像度がこの値よりも大きい場合は、フラットネスを制御する必要はありません。この場合、Distiller によるチェックは行われません。
CreoScitex ArtPro Separations v1.0
この機能は一部の ArtPro procset をより効率的なコマンドに書き直し、パフォーマンスを向上させます。
Adobe OPI Helper v1.5
Prinergy ノーマライズ機能では Adobe OPI マージ エンジンが使用されます。この機能は、このエンジンのいくつかの不具合を修正します。この機能には、Adobe PageMaker で画像のカラーを正しく設定するためのサポートが最近新たに追加されました。PageMaker では、カラーの薄い画像がコンポジット ワークフロー用のドキュメント内での設定どおりではなく、100 % で出力される不具合がありました。
Minimum Line Width v1.4
従来の多くのアプリケーションでは、非常に細い線(ヘアライン)を描画する PostScript を生成する場合、出力に適するデバイスは 300 または 600 dpi と想定されています。デバイスの解像度が 2400 dpi に増えると、特に印刷出力では、この細線は表示されていないように見えます。これは、PostScript が可能な限り細い線(デバイス上の 1 ピクセルなど)を要求しているためです。300 dpi での 1 デバイス ピクセルは 0.24 pt ですが、2400 dpi での 1 デバイス ピクセルは 0.03 pt です。
この機能では、PostScript の線の太さに関する要求を監視および変更します。さらに、最も細い線に対する要求を 0.216 pt 以上とし、高解像度デバイスでも線が表示されるようにします。PostScript 入力ファイルで縮小が行われている場合でも、この確認と変更が行われます。
Control Smoothness v1.0
この機能では、ファイル内の平滑度の設定を有効または無効にし、平滑度の初期値を 0.002 にリセットします。この初期値は、すべての RIP において適切な値と考えられています。
Creo Rampage v1.1
この機能では、Rampage で作成される DCS セットを処理して、エレメントを失うことなく PDF を作成できます。
CreoScitex Vignettes v1.2
この機能には、Scitex Blends XT で作成されたグラデーションを PS Level 3 スムーズ シェーディングに変換するロジックが含まれています。
Detect RGB Images v1.1
この機能は、分版された PostScript から /DeviceGray 画像に「なりすました」RGB 画像を検出し、強制的に /DeviceRGB に戻します。分版された PDF ファイルの /DeviceRGB カラー スペース画像は、リファイナのリソース チェックにより適切に却下されます。
このモジュールは、以下を検出して RGB に変換し直します。
- Photoshop RGB(QuarkXPress 4.04 で分版された PostScript でテスト済み)
- QuarkXPress で分版された PostScript に埋め込まれた、カラー画像演算子を使用する RGB EPS
Eliminate OPI Clip v1.1
一部の EPS ファイルおよび DCS ファイル(コピードット スキャンなど)には、トリミング ボックスのみと等しいバウンディング ボックス(裁ち幅ボックスが含まれていない)が含まれています。Adobe OPI で EPS または DCS 画像をマージすると、画像ファイルで指定されたバウンディング ボックスと等しいクリップが設定された PostScript が生成されます。
この機能は、Adobe OPI が EPS 画像をマージするときにクリップが使用しているかどうかを検出し、クリップを除去します。
InDesign Extra Color Fix v1.3
一部の条件下では、InDesign v1.1 でコンポジット PostScript を出力する際に、Cyan、Magenta、Yellow、Black など、プロセス カラーの名前に余分な文字が付けられる場合があります(アンダースコアの箇所がエラー)。
この機能を使用すると、InDesign PostScript でエラーの含まれる色版が生成されなくなります。
Prevent FrameMaker CropBox v1.0
FrameMaker ではクロップ ボックスがトリミング ボックスに設定されます。この機能はプリンタには推奨されません。トリミング ボックスの外側に作成されたトリム マーク(クロップ マーク)が切り取られ、出力結果に表示されないためです。
ScriptWorks Compatibility v1.0
以前は、Harlequin 固有のコマンドが含まれる一部のファイルについて、Distiller で範囲チェックのエラーが発生していました。この機能により、これらのコマンドが Distiller で動作するようになります。
Separate Level 2 Images v1.1
分版されている PostScript ファイルに Photoshop EPS の JPEG エンコーディング ファイルが含まれている場合、画像は正しく分版されずブラック版のみに出力されます。この機能を使用すると、このような圧縮画像を分版して CMYK チャンネルに正しく分版できます。
注: この分版処理のため、Distiller の処理時間は長くなります。
この機能は、分版された PostScript 内の、画像演算子の辞書フォームを使用するコンポジット(CMYK)画像に対して有効です。この種類の画像は、Level 1 のセパレータを使用した場合は正しく分版できません。
Creo Shfill Overprint Fix v1.1
この機能では、陰影付きのベタ部分を強制的にオーバープリントします。
Creo Zap Printer Controls v1.4
Windows 用の HP LaserJet ドライバを使用すると、多くの場合、PostScript ファイル内に PJL コマンドが含まれます。その PostScript を HP 以外のプリンタに送信すると、PostScript エラーが頻繁に発生します。Distiller は HP プリンタではないため、これらのファイルの PDF への変換時にもエラーが発生します。この機能では、PostScript エラーを防ぐサポート機能が追加されます。入力 PostScript ファイルが HP LaserJet プリンタ ドライバで生成された場合でも有効です。
Automatic Geometry Recognition v2.3
この機能では、PostScript ファイルからトリミング サイズを取得して自動的に設定するためのイディオムがいくつかインストールされます。サポートされるソフトウェアは次のとおりです。
- QuarkXPress 3.32 以降(XPress Passport および XPress 日本語版を含む)
この機能では、QuarkXPress のクロップ マーク描画手順を検出して置き換え、可能な場合はユーザーが指定したクロップ マークおよび見当マークからジオメトリ値を設定するイディオムがインストールされます。
- Adobe PageMaker 6.0/6.5(日本語版を含む)
この機能では、Adobe PageMaker 6.0/6.5 のクロップ マーク描画手順を置き換えて、トリミング ボックスの四辺を取得し、そのマークに基づいてページのトリミングを設定するイディオムがインストールされます。
- Adobe InDesign 1.0 以降
これらのイディオムは、PostScript がクロップ マークを描画する際にその処理を遮断して位置を記録することによって機能します。そのため、アプリケーションから PostScript ファイルに出力する際にクロップ マークを有効にする必要があります。
PDF の作成後にトリミング ボックスを表示および変更するための最善の方法は、Kodak Prinergy Geometry Editor ソフトウェアを使用することです。
Copydot Enhancements v1.2
これは、Creo Renaissance スキャナまたは Kodak Copydot Toolkit ソフトウェアで作成された、従来のコピードット ファイル用 PDF ワークフローを強化するためのイディオムです。 この機能はタイリングの問題を解決するのに役立ちます。コピードット EPS ファイルを PDF ページに変換する際にこのコンポーネントを使用します。
CopyDot Toolkit に関する詳細については、http://graphics.kodak.com/ にアクセスしてください。
Enhance Quark Color Separator v1.0
QuarkXPress で PostScript ベースの分版コードを使用した場合、クリッピング パスが含まれる Photoshop の DCS-2 画像は正しく出力されません。この機能には、このような動作を回避する PostScript Level 3 のイディオムが用意されています。XPress Passport を含む QuarkXPress 3.32 以降がサポートされます。
Prevent FrameMaker RGB v1.0
Adobe FrameMaker で生成される PostScript は、Distiller 内で処理される場合にそれを自動的に検出し、処理中にすべてのカラーを CMYK から RGB に変換します。この機能は、PDF はコンピュータ画面にのみ表示され、出力には使用しないという想定で FrameMaker に追加されました。
FrameMaker のこの制限事項に対処するため、この機能は Distiller のチェックを遮断して無効にするイディオムを追加します。そのため、CMYK から RGB へのカラー変換が必要なくなるなどの効果があります。
Adobe Illustrator Patches v1.11
一部の条件下では、Adobe Illustrator がスポット カラーのグラデーションをプロセス カラーのスムーズ シェーディングに変換する場合があります。この機能では、Illustrator のロジックを置き換えるイディオムが追加されます。DeviceN カラー スペースを使用してスポット カラーを保持し、グラデーションをスムーズ シェーディングに変換します。Illustrator のブレンド ツールには影響を与えず、グラデーション ツールを使用して作成されたオブジェクトのみに適用されます。
またこの機能を使用すると、Illustrator は不明なフォントを Courier に置き換えません。不明なフォントは、Distiller ログ ファイルに正しく報告されます。Adobe Illustrator バージョン 7 および 8 がサポートされます。バージョン 9 および 10 の動作は変更されません。また、古いバージョンの Illustrator に対する Distiller のデフォルト サポートが強化されます。
Quark Custom Blends v1.4
この機能は、Quark XPress 3 および 4 のユーザー定義のカラー(スポット カラー)のブレンド コードを置き換え、PostScript 3 のスムーズ シェーディング パターンと DeviceN カラー スペースを使用して、ユーザー定義のカラーを保持しながらより滑らかなブレンドを作成する方法でグラフィカルな構成を表現するためのイディオムのセットです。また、スポット カラーとプロセス カラーが混在するブレンドもサポートされます。
この機能では、XPress Passport を含む QuarkXPress 3.32 以降がサポートされます。プロセス カラーからプロセス カラーへのブレンドに対する Distiller のデフォルトのサポートは置き換えられません。
注: この機能には、次の制限事項があります。
- これらのスムーズ シェーディングのブレンドは、Acrobat では「バンディング」があるように表示されますが、CMYK カラーが RGB に変換されることによる視覚的影響、および隣接カラーがわずかに異なる場合のレンダリングに関連する視覚的影響にすぎません。
- Quark では、ブレンドの終了ポイントで「マルチ インキ」カラー指定が使用されている場合、この「マルチ インキ」カラー指定をプロセス カラーに変換します。 ブレンドの終了ポイントのうち 1 箇所が「マルチ インキ」カラー指定、もう 1 箇所がスポット カラーとして構成されている場合、Quark ではこのブレンドを、プロセス カラーからスポット カラーへのブレンドとして表します(つまり、「マルチ インキ」カラー指定は失われます)。
FreeHand Blends v1.6
この機能は、スムーズ シェーディングと DeviceN カラー スペースを使用して、MacroMedia FreeHand ソフトウェア(バージョン 7 以降)のブレンドを再現するためのイディオムのセットです。プロセス カラーへの変換が回避されるほか、ブレンドの品質が向上します。
この機能は Distiller のデフォルト サポートに代わる機能で、FreeHand のスポット カラー グラデーションが含まれるコンポジット PDF ファイルを Distiller で作成できるようになります。これは、スポット カラーが含まれるグラデーションはプロセス カラーに変換されるという FreeHand のマニュアルの説明とは異なることに注意してください。この機能では、スポットカラーは適切に維持されます。
注: この機能には、次の制限事項があります。
- これらのスムーズ シェーディングのブレンドは、Acrobat では「バンディング」があるように表示されますが、CMYK カラーが RGB に変換されることによる視覚的影響、および隣接カラーがわずかに異なる場合のレンダリングに関連する視覚的影響にすぎません。
- これらのイディオムは、現時点では FreeHand 7 および 8 を対象にしています。 さらに、FreeHand 9 でのテストにも成功しました。 それよりも古いバージョンまたは新しいバージョンでは直接サポートされていませんが、一部のバージョンで機能する場合もあります。
HelpShiraCeps2Ps
この機能は、Shira ファイルをより効率的に処理するために Distiller を最適化するものです。